『ゆとり世代』

先日、台本執筆の締め切りに終われ、近所のファミリーレストランで涼みながらノートパソコンと睨めっこをしていたときの事です。
昼間というのに、あろうことか、制服に身を包んだ女子高生2人がやってきたのです。

しかも。僕の隣の席に。
おいおい、いっぱい席は空いているだろうに。

なんで、僕みたいな、いかにも『朝から居座ってますよ、すいませんねえ』オーラを出しつつドリンクバーだけで粘る男の隣に来るかっ!?
プロレスとガンダムを愛する演劇人と女子高生。
まさしく水と油。
真逆です。
スペースシャトルと流し素麺くらい、ビジュアルも世界観も存在意義も違う2組。

いったいどんな価値観を持っているんだろうと、考えていたその時。

『で、彼氏と別れたんやんかー。』

おお。座るや否や、物凄い発言が。
今の女子高生はどんな恋愛観を持っているのか!?
シナリオハントという名目で僕の耳も彼女らの会話に向いてしまいます。

『うん、そうなんや。』
『で、何食べる。』
『観て。夏の担々麺フェアーやって。』


担々麺なんかどうでもいいよっ!
君の恋愛話はどうした?

『観て、辛さ選べるで』

いらんがな!

彼女らにとっては
担々麺>>>>辛さ選べる>>>>彼氏と別れた
なのでしょう。
緩い。緩すぎる。まさにこれがゆとり世代か!?

彼女らにとっては ドリンクバー来たけど、何飲む? >>>> 家庭
であり
マスカラ >>> 宇宙
なのであります。軽い。軽すぎる。
その後も、彼氏の事はまるでなかったかのごとく、会話は弾みます。

マクド > 哲学
アメ村 > 死
カラオケ > 空
お菓子 > サミット
携帯 > 運命


なのであります。そう考えた時、ミスチルの『every body goes』が脳内に流れました。

まさしく『秩序のない現代にドロップキック』

いや、足らん。『恋愛より担々麺の彼女らにパイルドライバー』


↑ プロレスラーとも闘った僕が、ぼてくりこかしてやる!

しかし、現実はこれとして受け止めねばなりません。この軽さが今の世代なのです。

僕は今、専門学校の講師もしていて、今後そうした価値観を持つ生徒達と作品を創って行かねばならないのです。
そして、高校演劇の審査員もしています。
果たしてそうした価値観の中からどんな演劇が生まれるのか、不安でもあり楽しみでもあります。
来いや。ゆとり世代の演劇よ。詰め込み教育の遺産たる僕が、受けて立ってやる。

『マジこれ辛いねんけど。食べられへん』
『残す?』
『いや、もったいないから、全部食べる』


うーん。そういう所は意外と偉いじゃないか。

[コラム] 水本剛(特攻舞台Baku-団)
生きる欲望(リビドー)をエンターテインメントの鼓動に乗せてお送りする、若手注目株のリビドーテインメント劇団「特攻舞台Baku-団」の座付作家。 人気WEBサイト「探偵ファイル」でも記事を執筆中!
劇団サイト=http://giantgrammy.com/ 個人ブログ=http://baku-keiko.seesaa.net/