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WEB ip [ JUL.2009 ]
3年以上、プロレスとガンダムについてコラムを執筆させて頂きました。
この話題に触れないわけにはいけません。
興味のある人もない人も、多くの方に衝撃を与えたかと思います。
プロレスラーの三沢光晴選手が亡くなりました。
このニュースで初めて三沢選手の事を知った方も多いと思います。
業界を代表するトップレスラーが、試合中の技で死亡。
プロレスとは危険なものだ。そう思われてもしょうがありません。
そんな野蛮なスポーツはやめるべきだ。そういう運動が起こっても不思議ではありません。
僕は選手でもありませんし、観戦していたわけではありませんが、これだけはいえます。
相手は勝つ為に技を仕掛け、三沢選手は生き延びる為に技を受けたのです。
プロレスとは、相手の技を受け止めながら互いの強さを表現していく、ファイティングアート。
三沢選手はその美学を最も体現した男でした。
そう、プロレス界で『受け』の最も上手い選手でした。
僕の記憶をひも解けば、三沢選手は昔、タイガーマスクという子供に人気のマスクマンでした。
しかし、所属していた全日本プロレスから大量の選手が離脱。
空洞化してしまった団体を守るため、タイガーはなんと試合中に仮面を脱ぎ、
素顔の三沢に戻ったのでした。
アイドルレスラーから真のエースへ、決意表明を行ったのでした。
三沢、マスクを脱ぐ!
それ以降、当時のエース、ジャンボ鶴田選手との抗争を続けることになります。
軽量級の三沢。ヘビー級の鶴田。当然のように三沢は常にボコボコにされていたのでした。
団体を守るため、常に技を受け続けていたのでした。
僕が初めて三沢を見たのがこの時。深夜2時台に放送される全日本プロレス中継に、小学生ながら驚喜したものです。
三沢、鶴田と超激戦!
そして、世代が交代し、『四天王』と呼ばれていた時代。
その時も、ひたすらに三沢は技を食らい続けました。
K-1やPRIDEといった格闘技が流行しても三沢のプロレスへの情熱は変わらない。
身体のギリギリまで追いつめる様な試合に、感動したものです。
壮絶な技
極限の受け身
その時くらいからでしょうか。プロレスファンには一つの暗黙の了解の様なものが生まれていました。
『三沢は受け身の天才。どんな技を食らっても死なない。』
そんなファンの声を聞いてか、三沢の食らう技は、青天井のようにエスカレートしていきました。
垂直に頭を打ち付ける様な技が増えました。
それを僕らファンは、もっと凄い技を、もっと凄い技をと思いながら観るようになりました。
そしてその期待に応えるのが三沢光晴でした。どんなに怪我をしても、どんなに忙しくてもリングに上がる。
誰よりもプロレスをファンを愛した男でした。
三沢は、そんなファンの思いにも、『受け身』を取り続けていたのでした。
ギリギリで3カウントを許さない、息も絶え絶えな三沢に、胸を躍らせた僕。
思えば、僕の作る芝居もそうです。
好きなガンダムも、戦争の話です。
僕は『命』のギリギリのラインを観る事でしか感動を得られない愚か者なのかもしれません。
大切な人が死ぬまで、命の大切さに気がつかない、麻痺した人間です。
それを理解した上で、彼の残していってくれたプロレスを一生、心から愛し続けようと思います。
それだけが僕に出来る三沢選手への受け身なので。
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水本剛 (特攻舞台Baku-団)
生きる欲望(リビドー)をエンターテインメントの鼓動に乗せてお送りする、若手注目株のリビドーテインメント劇団「特攻舞台Baku-団」の座付作家。
趣味はプロレスとガンダム。
全裸でド下ネタ芝居を作っているのに、行政による人権啓発事業に招致される。
作家のくせに、どの俳優よりも豊かな筋力を持つ。
演劇人にはほとんど評価されないのに、撮った事もない映画のシナリオで賞をとるなど、『人生って中々うまくいかない』を体現中。
劇団サイト=
http://www.baku-danger.com/
個人ブログ=
http://baku-keiko.seesaa.net/