演劇クリエイターたちが演劇以外で表現するマンスリーWEBマガジン = [ ip ]
WEB ip [ JUL.2009 ]


【コンビニに行けない】

わたしの家の近くにコンビニがあります。
今や誰の家の近くにもコンビニがあると思います。
コンビニは気軽に行けるところが特徴です。
夜中でも、ジャージでも、すっぴんでもオッケーです。
女子ながらビール一本だけ買うのも許されます。
お菓子をいっぱい買ってもいいですし、栄養ドリンクなんてのも買ってもいいです。
店員がそっけない、もしくは、超事務的なニコヤカっていうのがコンビニのいいところで、客のことなんかあんまり見てなさそうなのが、わたしたちを気楽にさせてくれます。
(…ほんとは見てるんだろうけど…)

ある日、わたしはバンドやってる友だちからベースをもらい、「やったあ★」と背中に背負って帰路を急いでおりました。
もうすぐ家に着くよというあたりの最寄りのコンビニに、いつも通り、そのまま立ち寄りました。

夜も日付が変わろうかという頃合でした。

茶髪の少年顔の若いバイト青年が、レジにいました。

バイトくんは、わたしの背負っているベースに注目し、なんと…!
話しかけてきはりました。

「それ、ベースですか?」

「ええっ!?」

わたしはコンビニ等の公共の施設で話しかけられたりする刺激に弱いものですから、急にこんな親しげに話しかけられると戸惑います。
(※先月もこんな話でしたが!)

「あ…ベース…は、はい…」

とかゴニョゴニョ言うてお金を払っておりましたら

「僕、ギターやってるんですけど、ちょっとベースもしてみよかなあって思ってるんですが、ベース、楽しいですか?」

うわあ!
いいいいいっぱい話してきはった!

「え、えーと、わたし全然はじめたばっかりというか、そんなんですけど、はい、まあ、楽しいです。」

「へえー。じゃあ、僕もやってみよっかなー。」

「は、はい。」

明らかにわたしより年下のうら若き堂々とした青年です。
バンドマンなんでしょうね…。
まるっこい頬とキラキラした目がなんとも純朴そうです。

それ以降、そのコンビニで彼に出会うと、
「あ、どーも」
なんて挨拶してくれるようになってしまいました。
笑顔で会釈してくれたりしはります。


…そしてわたしは、気軽にこのコンビニに行けなくなりました。

なんか、買ったものとか見られてる気がしますやんー!
「あ、ビールですね」とか思われてますやんー!
「ベースをかき鳴らして、ビールですね」とか思われてますやんー!
「あ、お菓子ですね」とか思われてますやんー!
「この夜中にお菓子ですね」とか思われてますやんー!
「あ、その雑誌ですか」とか思われてますやんー!
「その雑誌見てんのに、その服ですか」とか思われてますやんー!

……近くて便利だったのに…
違うとこに行かないとあかん……

……
………
…………

とかウジウジしてたら駄目だ!と!
せっかくの便利を無駄にしている!と!
立ち向かわないと!と!
わたしの便利をまたわたしの手に勝ち取らないと!と!

というわけで、こないだ、お風呂もまさしく入ったあとの、
メイク無し!
ジャージ!
という敢えて窮地に追い込んだ格好で立ち向ってやりました!!!!

青年店員は
「あ、どーもー」
っていつも通りに会釈してくれはりました。

わたしも会釈しました。


………

コンビニごとき…!

人の視線なんか関係ないぜっていうROCKな意気込みがわたしに宿るように、頑張ります!


さりんぐろっくの レベルが あがった!

【さりんぐろっく】
レベル2
たいりょく +2
すばやさ +2
かしこさ −1
そうび まるごし


サリngROCK (突劇金魚)

「突劇金魚」所属。
作家・演出家・役者。チラシの絵も描いて、演劇イベント「アドシバ!」のMCアシスタントもする。
最近、バンドのライブにもハマってることから、とうとうベースを練習しはじめる!(まだ、はじめたばかりの超ど素人。)
いろいろなことを自分で経験してみたい、好奇心旺盛な女子。
実は、作家でもなく、役者でもなく、「サリngROCK」ていう新ジャンルを名乗りたいと思っています!

劇団サイト=
http://www.kinnngyo.com/
個人ブログ=
http://yaplog.jp/saring/